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オスプレイ米出港 岩国 強まる抗議

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを積んだ輸送船の米本土出港が判明した3日、先行搬入先の米海兵隊岩国基地を抱える岩国市の市民団体による抗議活動は、岩国の後に配備される沖縄も意識した色合いを強めてきた。

 「ここで岩国が頑張らないと沖縄につながる」。愛宕山地域開発事業跡地(岩国市)の米軍住宅計画に反対する「愛宕山を守る会」の岡村寛世話人代表(68)は強調する。

 岡村代表は沖縄からの檄(げき)布とのぼりをこの2年間、反対集会に掲げてきた。日米両政府が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として合意した名護市辺野古地区で座り込みを続ける団体から。「連帯して闘おう」などのメッセージ入り。「沖縄に飛行させないためにも抗議活動を続ける」と誓った。

 「住民投票を力にする会」などでつくる実行委員会は22日、岩国市役所前で反対集会とパレードを計画する。「オスプレイは岩国にも沖縄にもいらない」をスローガンに掲げ、沖縄県の衆院議員を招く予定だ。

 沖縄とのかかわりを周辺住民も意識する。岩国基地対岸にある山口県周防大島町の主婦浜本理恵さん(30)方には6月下旬、沖縄の友人から「オスプレイを受け入れちゃだめ」と電話があった。5年前まで宜野湾市で暮らし、2004年8月の沖縄国際大構内への米軍大型輸送ヘリ墜落事故を身近に体験した浜本さん。「本当に恐ろしかった。岩国だけの問題ではない。危険なものを日本に持ってこないでほしい」と神経をとがらせた。(酒井亨、大村隆)

(2012年7月4日朝刊掲載)

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