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社説・コラム

永田町発 米新政権で日米同盟は 首相補佐官 河井克行氏(広島3区) トランプ氏 重要性認識

 米国の次期大統領にトランプ氏が決まったことを受け、日本政府は安倍晋三首相が訪米して17日夕(現地時間)に会談するなど、新政権との関係構築に向けた準備をいち早く進めている。安倍首相に先駆けて米国を訪れ、政権移行チーム幹部たちと会談した河井克行首相補佐官(広島3区)は「トランプ氏とその周辺は日米同盟の重要性を認識している」との受け止めを示した。(野崎建一郎)

  ―今回の渡米の目的は。
 安倍首相は会談前に、地ならしとして私を派遣した。14日から6日間の日程で、政権移行チーム幹部の一人であるニューネス下院議員や、閣僚候補に挙がるコットン上院議員たちと話した。首相からはこうしたトランプ氏に近い人たちに二つのことを伝えるよう言われた。

 一つは米国が日本にとって最も重要な同盟国で、首脳同士の信頼関係がその基盤だという考え。もう一つは、日米同盟が双方の国に加え、太平洋地域や世界にとっても重要だというメッセージだ。

  ―相手方の反応は。
 会った全ての人が、日米同盟は普遍的価値で結ばれた揺るぎない同盟だと認識していた。トランプ氏は、他国の首脳からの会談要請を断って安倍首相だけを選んだとも複数から聞いた。自らも日米同盟を重視している証しだろう。

  ―しかし、トランプ氏は大統領選で米軍駐留費の負担増や環太平洋連携協定(TPP)脱退を明言しており、懸念があります。
 「トランプ氏が選挙期間中に発した一言一句を捉えて一喜一憂すべきではない」との助言も受けた。真意を冷静かつ正確につかんだ上で日本の国益を追求しなければならない。日米関係を深めることが米国の国益にもつながると説明する必要もある。私もそのための役割を果たしたい。

(2016年11月27日朝刊掲載)

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