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1年後めど 解析終了 放影研の被爆2世健診

 放射線影響研究所(広島市南区、放影研)が被爆2世の健康影響を調べるために設置した第三者委員会「被爆二世臨床調査科学倫理委員会」が29日、第6回会合を同研究所で開いた。2010年11月~15年10月に実施した健診の結果について、約1年後をめどに解析を終える方針を決めた。

 放影研によると、健診は計1万304人が応じた。健診時の平均年齢は56・8歳。これまでの解析では、高血圧の有病率が男性約48%、女性約32%となり、02~06年の前回(男性約34%、女性約20%)に比べていずれも増加したことが判明したという。

 現段階では、日本人の平均値とほぼ同じ値というが、結核予防会顧問の島尾忠男委員長は非公開の会合後の記者会見で「親の被爆による影響なのかを約1年かけて解析し、結果を報告したい」と述べた。高LDLコレステロール血症、糖尿病の有病率の集計なども並行して進める。

 また、放影研の移転問題で、市が中区の施設への入居案をまとめたことについて、丹羽太貫理事長は記者団に「移転で研究機能を維持できるかどうかなどを真剣に検討したい」と話した。(長久豪佑)

(2016年11月30日朝刊掲載)

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