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平和大使に僧侶中垣さん 広島市任命 NYで核廃絶訴え

 米ニューヨークを拠点に核兵器廃絶と平和を訴える浄土真宗本願寺派の僧侶、中垣顕実さん(55)が29日、広島市の「ひろしま平和大使」に任命された。市役所で松井一実市長に「仏教の精神である対話を通じて平和を訴えていく」と語った。

 毎年8月にニューヨークで原爆犠牲者の追悼式典を開いたり、被爆者と米中枢同時テロの犠牲者遺族との対話集会を催したりしている。核兵器廃絶の願いを海外で伝える大使就任を市から打診され、快諾したという。講演のため市を訪れた機会に、松井市長から委嘱状を受け取った。

 1994年から2010年までニューヨーク本願寺の住職を務めた中垣さん。三滝町(現西区)で被爆した親鸞聖人像が55年に作者から寺へ贈られ、安置している縁で活動を始めた。「広島の思いを伝えなければと思ってやってきた。被爆国も米国に言うべきことを言ってほしい」と話した。市の平和大使は7人目。(坂本顕)

(2016年11月30日朝刊掲載)

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