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「障害者の生活守れぬ」 伊方原発訴訟でヘルパーが陳述

 広島、長崎両県の被爆者たち145人が、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)1~3号機の運転差し止めを求めた訴訟の口頭弁論が30日、広島地裁であった。今回の弁論から新たに17都府県の79人が原告に加わった。四国電力は改めて請求の棄却を求めた。

 今回原告になった松山市の小倉正さん(55)が意見陳述。原発30キロ圏内の愛媛県大洲市の障害者福祉サービス事業所のヘルパーとして勤めており、「原発事故が起これば障害のある人やお年寄りなどの暮らしが守れなくなる」と訴えた。

 原告側は準備書面で、福島第1原発事故による放射性物質の汚染状況などを踏まえ、伊方原発が重大事故を起した際の拡散シミュレーションを説明。「風向きなど自然条件次第で広島市周辺でも(局地的に放射線量が高い)ホットスポットが発生する」とした。

 四国電力側は、5重の壁で放射性物質を閉じ込めている施設の構造や、重大事故を想定した安全確保対策を強調。「伊方原発の安全は十分に確保されている」と主張している。

(2016年12月1日朝刊掲載)

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