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「黒い雨」の舞台巡る 神石高原 重松氏の生家や池

 井伏鱒二の小説「黒い雨」の舞台となった広島県神石高原町小畠を巡るフィールドワークが4日、あった。約50人が参加。小説の基になった「重松日記」の著者、故重松静馬氏の娘婿文宏さん(76)の案内で、生家や終章に出てくる池など4カ所を約2時間かけて回った。

 文宏さんは、悲惨な戦争体験を知ってもらうため、小説内の地名や人名を実名にするよう重松氏が井伏に懇願したエピソードなどを紹介。黒い雨の一節を記した文学碑前では「(重松氏も)生かされた者として戦争や核兵器のない世界を求めていた」と説明した。

 町内の4公民館が参加する生涯学習連続講座の一環で、町教委など主催。同町油木の主婦逸見隆子さん(70)は「戦争はいけないとあらためて思い知らされた。孫にも伝えたい」と話した。(山成耕太)

(2012年7月5日朝刊掲載)

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