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核廃絶や関係強化議論 広島市立大で日露学生ら

 日本とロシアの若者が交流を深める「日露青年フォーラム2016」が1日、広島市立大(広島市安佐南区)で始まった。同大の学生10人を含む被爆国の30人と、核兵器保有国であるロシアの30人が参加。核兵器廃絶やテロの根絶、日ロ関係の強化のため何をすべきかを巡り英語で議論した。

 世界の核兵器状況に関する同大広島平和研究所の福井康人准教授の講義に続き、日ロの学生代表が意見発表をした。東京大大学院で国際関係学を学ぶ柳本昌哉さん(27)は「プーチン大統領が近く訪日し、日ロ関係が転換点を迎える。トップレベルだけでない、青年による市民外交の意義は大きい」と話していた。

 その後、参加者はグループに分かれて議論した。モスクワ市内の大学で核物質の輸出入管理などを学ぶアントン・ツグシェフさん(23)は「核兵器なき平和は共通の目標。広島の街も歩きながら若者が何をすべきか探りたい」、広島市立大国際学部4年の三好花奈さん(22)は「祖母が被爆者。当事者の体験をロシアの若者が学ぶ機会にもなってほしい」と期待していた。

 参加者は2日に議論を終え、次いで原爆資料館(中区)などを見学する。

 同フォーラムは、1998年の日ロ首脳会談での合意に基づき設立された「日露青年交流センター」などが主催する友好事業。これまでモスクワや札幌で7回開催し、地球温暖化や若者の政治参加について議論した。広島で開かれるのは初めて。(金崎由美)

(2016年12月2日朝刊掲載)

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