×

ニュース

泰緬鉄道 和解への旅 「クワイ河に虹をかけた男」14日まで上映

 第2次世界大戦中、多くの連合軍側の捕虜やアジア人労働者を犠牲にしながら、旧日本軍が建設したタイとミャンマーを結ぶ泰緬(たいめん)鉄道。映画「クワイ河に虹をかけた男」は、犠牲者の慰霊や和解に取り組んだ故永瀬隆さんを追ったドキュメンタリーだ。

 岡山県福田村(現岡山市南区)生まれの永瀬さんは陸軍通訳として鉄道建設に関わった。戦後は連合軍による英国やオーストラリアの兵士の墓地捜索に同行し、死者数万人という悲劇を目の当たりにした。

 1964年から計135回タイを訪問し、「草の根の戦後処理」を続けた。復員する日本兵に米と砂糖を支給したタイ政府に報いるため、同国の学生に奨学金も贈った。

 映画は瀬戸内海放送の製作。2011年に93歳で亡くなった永瀬さんの晩年約20年間を記録する。元捕虜やアジア人労働者、タイ人留学生らとの交流や、戦後処理を放置した日本政府への疑問や怒り…。永瀬さんが人生を懸けた活動に込めた思いに迫る。

 広島市西区の横川シネマで14日まで、連日午前10時10分から上映。4日は上映後、満田康弘監督のトークがある。横川シネマTel082(231)1001。(余村泰樹)

(2016年12月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ