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実相伝える初の原爆展 平和市長会議加盟の松江 

 原爆被害の実相を伝える「ヒロシマ原爆展」が6日、島根県松江市殿町の県民会館で始まった。広島市と広島平和文化センター(中区)が全国の自治体に呼び掛け共催している原爆展の一環で、松江市での開催は初めて。(明知隼二)

 焼け焦げた学生服や熱で変形したガラス瓶、時計などの被爆資料約30点▽原爆による被害や後障害の解説パネル約50点▽市民が被爆体験を描いた絵約20点―などを展示。爆心地近くの本川小(中区)の児童が1948年、復興過程の広島を描いた絵もある。

 松江市西尾町の主婦原美江さん(62)は「子や孫を思うと、子どもの服やげたなどの遺品が胸に迫る」と言葉を詰まらせていた。

 広島市と同センターは1996年度から全国で巡回展を開いており、2011年度までに39都道府県の48都市で開催している。松江市は10年10月、平和市長会議(会長・松井一実広島市長)に加盟したことから、開催の呼び掛けに応じた。

 原爆資料館(中区)の前田耕一郎館長は「原爆で何が起こったのか、展示資料のメッセージを受け止めてほしい」と話している。11日までで無料(9日休館)。

 県民会館ではこの日、広島大名誉教授の葉佐井博巳さんの被爆証言を聞く会もあった。7日午前10時半、午後1時半にも開催する。松江市総務課Tel0852(55)5112。

(2012年7月7日朝刊掲載)

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