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原爆ドーム周辺に電飾 世界遺産20年 慰霊の場 批判も

 原爆ドーム(広島市中区)の世界遺産登録20年に合わせ、市は7日夜からドーム周辺の木々に青の電飾をともす。登録されてから初の試み。ただ、6日の試験点灯では、被爆者から「慰霊の場にふさわしくない」との声が出た。

 市観光政策部によると、観光キャンペーンの一環で、ドームを囲む植え込みの一部と12本の木に発光ダイオード(LED)ライト計約4万5千球を設置。来年2月5日まで午後5時半(初日は午後7時)~10時半に点灯する。「優しい光でドームが持つ平和のメッセージを世界中に届ける」と、青一色にするなどの配慮をしたという。

 通り掛かった東区の介護福祉士岡本廉さん(56)は「ぎらぎらした色ではないので、ぎりぎり許せる」と受け止めた。

 一方、6日までに市には批判的なメールや電話が十数件寄せられた。試験点灯の様子を見るために訪れた広島県被団協の佐久間邦彦理事長(72)は「ドームと観光を結び付けるのは無理があり、違和感がある。ありのままの姿で訴え掛けるのが大切ではないか」と話した。(長久豪佑)

(2016年12月7日朝刊掲載)

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