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日米の平和と和解 発信を ハワイの被爆2世ピーターソンさん 首相真珠湾訪問

 安倍晋三首相の米ハワイ・真珠湾訪問発表が現地にも伝わり、オバマ米大統領が卒業したハワイ・プナホウ学園の元日本語教師で、被爆2世のピーターソンひろみさん(68)=ホノルル市=は6日、「本当に実現するとは。素晴らしい」と歓迎した。

 両首脳が献花を予定するアリゾナ記念館のビジターセンターには、広島市中区の平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルになった佐々木禎子さんの折り鶴が2013年から常設展示されている。ピーターソンさんは実現に尽力した一人で「折り鶴が展示された時は日米の平和と和解の象徴と言われた。2人が真珠湾に立つことで、そのメッセージをより広く多くの人に発信できる」と語った。

 また5月のオバマ大統領の広島訪問に触れ、「広島には、過去の過ちを謝るべきだと言われる人もいた。ハワイでも同じような事態が起こるのでは」との見方を示した。その上で「大統領の広島訪問が首相の決断につながった。行動を起こさないと何も始まらない」と力を込めた。

 広島市南区出身のピーターソンさんは1972年、ハワイ大の教授との結婚を機にハワイへ移住。同学園で日本語教師を務め、原爆被害を扱った中学、高校生用の日本語教科書を出版したほか、その印税で創設した基金の一部で09年から毎夏、同学園の高校生2人と教師1人を広島市へ平和学習に派遣している。功績が評価され、先月、第28回谷本清平和賞を受賞した。(渡辺裕明)

(2016年12月7日朝刊掲載)

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