×

ニュース

中国残留孤児 実情伝えたい 広島市安佐北区で10日 体験聞く会

 広島市内に帰国した中国残留孤児と家族の体験を聞く会が10日、安佐北区の真亀公民館である。近くに県営住宅があり、残留孤児や家族が多く暮らしていることから、地域住民に理解を深めてもらおうと、支援者たちが市北部では初めて開く。(栾暁雨)

 1996年に遼寧省大連市から帰国した西区の岩井梅子さん(71)、残留孤児の母親と99年に山東省から帰った同区の松葉静子さん(44)が、中国での暮らしや帰国後に言葉や就労で苦労した体験などを語る。

 外国人の社会福祉を研究する広島大の河本尚枝准教授(50)が、戦時中に国策で旧満州(中国東北部)に渡った満蒙開拓団の歴史を解説。高田郡(現安芸高田市)から移った「満州高田開拓団」の集団自決をテーマにしたドキュメンタリー作品の上映もある。

 聞く会は、市内の帰国者や大学教員たち支援者でつくる実行委員会が2013年から開催。市内に約100人いる残留孤児の4割が住む中区の基町地区で開いてきた。

 中国帰国者支援・交流センター(南区)によると、真亀公民館がある高陽地区にも残留孤児の2割が居住。言葉の壁や生活習慣の違いから、地域との関わりが希薄になりがちという。河本准教授は「団地住民の高齢化で支え合いが必要となる中、地域の人に残留孤児の実情を伝え、理解を進める機会にしたい」と話す。

 10日午前10時~正午。無料。事務局Tel090(4498)5235。

(2016年12月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ