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被爆死816人 遺族はどこ 

 広島市は6日、平和記念公園(中区)の原爆供養塔に納められた原爆犠牲者の遺骨のうち、名前が判明しながら遺族が見つかっていない816人分の名簿を全国の自治体などに発送した。13日から10月31日まで庁舎などに張り出してもらい、名乗り出る遺族を待つ。

 大きく「遺族を捜しています」と書かれた名簿は縦100センチ、横70センチのポスター形式。五十音順で、名前や住所、年齢、在籍校など分かる範囲の手掛かりを載せた。市は都道府県や市町村、各地の被爆者団体など計1976カ所に送った。

 市は1968年、名簿の公開を開始。これまでに845人の遺骨が引き取られた。公開当初は100人以上の遺族が名乗り出た年もあったが、2010年7月の1件を最後に途絶えている。

 市原爆被害対策部調査課の大杉薫課長は「一人でも多くの遺骨を遺族にお返ししたい。気になる情報があれば連絡してほしい」と呼び掛けている。(田中美千子)

(2012年7月7日朝刊掲載)

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