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三セク関係者、参加業者に 入札価格指示?の文書 錦帯橋空港駐車場整備

 岩国錦帯橋空港(岩国市)のターミナルビルなどを運営・管理する第三セクター岩国空港ビルの立体駐車場整備を巡り、空港ビル関係者が整備工事の一般競争入札前に参加予定業者に対し、入札価格を指示したことをうかがわせる内容を含む記録文書が流出していることが7日、分かった。実際に落札したこの業者は文書の存在を認めているが、空港ビル側は否定している。

 山口空港ビルや筆頭株主の県によると、立体駐車場は鉄骨2層構造の3階建て延べ約7800平方メートルで、約420台分を収容できる。事業費の6億1500万円は、在日米軍再編に伴い国が県に支払う交付金で賄う。

 空港ビルが4月21日に一般競争入札をし、8社のうち1社が3億9200万円で落札した。最低制限価格は設けず、予定価格は4億8100万円だった。入札価格は2社が3億円台で、残る6社は4億200万~6億3500万円だった。

 文書は最初の落札業者名で作成。5月16日に別の県関連会社の部長と業者の担当者が打ち合わせをした内容が書かれている。部長が工事金額について「5億6千万円ぐらいが相場」とする一方、空港ビル幹部の指示で業者が入札額を4億円以下にしたとみられる記述があった。

 中国新聞の取材に対し、業者側は「内容は事実」と答えた。空港ビル幹部は「入札額の指示などしていない」としている。

 整備工事は、6月14日に最初の落札業者が辞退し、7月15日に次点だった別の業者が3億9800万円で随意契約した。ただ、来年3月までの完成期限に間に合わないとして、地盤にくいを打つ工法から、コンクリートを流して地盤を強化する工法に変更している。

 7日の岩国市議会一般質問で、同工事を巡る質問があり、空港ビル取締役を務める福田良彦市長は「十分に精査し、適切に対応する」と述べた。(佐藤正明)

(2016年12月8日朝刊掲載)

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