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枯れ葉剤で健康被害 ベトナム支援へ障害者バドの輪 山口大の金城さんら、あす慈善大会

 ベトナム戦争で米軍が使用した枯れ葉剤による健康被害が続くベトナムで、障害者バドミントンを普及させようと、山口大3年金城あさひさん(21)たちが10日、山口市の同大体育館で初めてチャリティー大会を開く。新たに正式競技となる2020年の東京パラリンピックを見据え、ラケットなどの寄付や、来年9月には現地を訪れて競技指導もする。

 金城さんは沖縄市出身。小学2年からバドミントンを始め、全国高校総体(インターハイ)や国体にも出場した実力を持つ。

 ベトナムに興味を持ったのは、高校3年の時、地元の米軍施設跡地のサッカー場で、枯れ葉剤を製造していた米企業のドラム缶が見つかったからだ。「健康被害を身近に感じた」。山口大に入り、ベトナムで日本語講師をしていた知人から、今なお先天的な障害が多く見られると聞いた。バドミントンの部活動を続けながら、支援策を探っていた。

 東京パラでの採用決定もあり、金城さんが部員に呼び掛け、有志で5月に「パラバド山大」を結成した。金城さんは指導に使う英語力を鍛えようと9~11月、フィリピンに留学した。同国でもバドミントン熱は高い半面、質の良いラケットなどは高額で競技を始めるハードルを感じた。

 チャリティー大会の参加費は2千円で、大半はベトナムの首都ハノイの障害者スポーツクラブに贈る道具の購入費などに充てる。男子、女子、混合の三つのダブルスで午前9時から受け付ける。

 金城さんは「山口から障害者バドミントンの魅力を広めていきたい」と話している。(折口慎一郎)

(2016年12月9日朝刊掲載)

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