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海兵隊岩国基地のFA18墜落 同型機の離着陸続く 「原因は…」市民に不安

 米海兵隊岩国基地(岩国市)のFA18ホーネット戦闘攻撃機1機が高知県沖に墜落した事故から一夜明けた8日、同基地では同型機を含む米軍機が離着陸を繰り返した。海上自衛隊岩国基地の救難飛行艇も救援に向かうなど慌ただしい場面もあり、基地そばで市民たちが見守った。

 中国新聞の取材に対し、岩国基地報道部は「対応できない」との回答を繰り返した。上部組織の在日米海兵隊報道部(沖縄)の電話は終日、つながらない状態だった。

 岩国基地の滑走路では普段と同様、航空機の発着が続いた。事故機と同型のFA18が、午前11時半ごろに3機、正午ごろに1機が離陸し、午後0時40分ごろに全機が戻った。同1時半ごろには2機編隊のうち1機の右主脚が格納されないまま上昇。基地上空を約30分旋回して着陸した。

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ5機は午前中に飛来。約100人の海兵隊員が後部ハッチから次々に乗り込み、正午すぎに離陸した。

 基地を見渡せる今津川沿いの土手には、市民や報道陣たち約30人が滑走路にカメラを向けた。事故が起きた7日も訪れたという滋賀県のフリーカメラマン三十木徳重さん(62)は「事故当日は、FA18の飛行回数がいつもより多いと感じた。墜落翌日も同型機が飛ぶのは意外だ」と話した。

 午後4時半ごろ、パイロットを収容したとみられる海自の救難飛行艇US2が帰着。下松市潮音町の医師山本薫さん(64)は「原因が機体にあるのか人為的なものか気掛かり。パイロットが無事であればいいが」と心配そうな表情を浮かべた。(藤田智)

(2016年12月9日朝刊掲載)

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