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愛宕山整備の緑地保全方針 「コンクリのり面 問題」 山口県議会で議員指摘

 米空母艦載機移転計画に伴い、中国四国防衛局が岩国市の愛宕山地区で進める米軍家族住宅や野球場などの整備を巡り、8日の山口県議会一般質問で県議が「周辺ののり面がコンクリートで固められつつある。緑化に努めるとした防衛局の方針に反している」と指摘。県側は「国が必要と判断して工事をしている」と答弁した。

 県議は、2012年9月に防衛局が岩国市議に示したとする文書を紹介。整備の考え方では「既存緑地を可能な限り保全し、建物周囲を植栽して緑化に努めるなど、自然環境の保全に配慮する」との記述があるとして、現状の工事に問題があるとの認識を示した。

 防衛局によると、のり面工事は現在、35カ所計約5万8千平方メートルで進めている。工期は来年7月末まで。

 答弁で矢敷健治岩国基地対策室長は「のり面の工事は愛宕山の財産の維持保全、周辺の安全性を確保するためだと国から聞いた。国が必要と判断しており、詳細は承知していない」と述べた。

 中国新聞の取材に対し防衛局は、コンクリート枠の内側に土を入れて草などの種をまく予定で「ある程度は緑が戻る」としている。(佐藤正明)

(2016年12月9日朝刊掲載)

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