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平和公園 新トイレに囲い 観光客ら工事中と勘違い 生け垣設け3月に撤去

 広島市中区の平和記念公園に7月完成した公衆トイレが仮設のフェンスで囲われ、観光客や市民から「工事中と勘違いしてしまう」などの声が出ている。管理する市は「トイレの周りに生け垣を作るまでの措置で、来年3月には撤去する」と理解を求めている。(益田里穂、田中謙太郎)

 トイレは公園北側の原爆の子の像の近くにあり、原爆資料館を模した外観。コンクリート柱の縦格子を不透明のガラスで覆うおしゃれなデザインで、外国人観光客も使いやすいよう、個室を全て洋式便器にするなど約6千万円かけて整備した。

 公園を東西に横切る市道からトイレは見えるものの、周囲に高さ約3メートルのフェンスがあるため、近寄って使えるかどうかを確かめる人も。通り掛かった中区の会社役員歌田光典さん(63)は「知らない人が見れば工事中だと思うだろう。フェンスは不格好なので、ない方がいい」と話した。

 市公園整備課によると、トイレが原爆供養塔などに近いため、目隠しとなる生け垣を周囲に設ける予定。年明けに取り掛かり、植え終わる来年3月まではフェンスで囲うと説明している。

 市にも市民から「せっかくトイレを設けたのに、なぜ隠すのか」「いつフェンスを撤去するのか」などの問い合わせが多く寄せられた。市は11月、当面の措置と知らせる紙をフェンスに掲示した。

 市は公園内の他の公衆トイレ3カ所も順次、同じデザインで建て替える。

(2016年12月10日朝刊掲載)

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