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中電の管理問う声も 島根2号機ダクト腐食 県議会委 点検で発見できず

 中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町)の中央制御室の空調換気ダクトで腐食による穴が見つかった問題で、県議会が9日開いた総務委員会(山根成二委員長、9人)では、これまで発見できなかった中電の管理に疑問の声が上がった。

 中電によると、空調換気系は原発事故時に制御室への放射性物質の侵入を防ぐ。ダクトは定期検査10回につき1度確認するとしている。1989年に運転を始めた2号機では98年に点検したが、記録ではダクトを覆う保温材を外したかは確認できていないという。

 総務委員会では、通常の点検ではなく、再稼働申請中の2号機の書類の補正で発覚したことを問題視する意見が出た。委員は2010年の点検不備問題などを踏まえ「機器の点検をしているはずなのに、なぜこうしたものがまだ見つかるのか」と指摘。「県も主体的に関与を」と求めた。

 溝口善兵衛知事はこの日の会見で「(原発の)安全を保つのが電力会社の責務。問題だ」としたが、今後の対応については「まず中電が原因を究明する必要がある」と述べるにとどまった。(秋吉正哉)

(2016年12月10日朝刊掲載)

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