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「黒い雨」拡大を直訴 広島市長、上京へ

 広島市の松井一実市長は、広島への原爆投下直後に降った「黒い雨」被害の援護対象となる国の指定地域を拡大するよう政府に直接求めるため、近く上京する方針を固めた。小宮山洋子厚生労働相との面会を求めており、拡大に向けた政治決断を迫る考えだ。

 厚労省の有識者検討会は9日、データ不足などを理由に市などが求める約6倍の地域拡大に否定的な報告書をまとめたばかり。同省は報告を受け、8月6日の原爆の日を念頭に、拡大の是非を含めた対応を検討する。

 松井市長は、厚労省の結論が出る前に厚労相への直談判が必要と判断。援護地域外の住民の高齢化が進む現状を踏まえ、「検討会の結論を超えた政治的な決断が必要」との訴えを届ける。

 広島県選出の国会議員にも支援を要請する。市は31日、来年度予算編成に向けた国への要望事項の説明会を東京都内で開催。地域拡大を政府に迫るよう働き掛ける予定でいる。(田中美千子)

(2012年7月11日朝刊掲載)

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