×

ニュース

ソマリアで節水型農業 発泡ガラス材で保水力高める 鳥取再資源化研が実証事業

 廃ガラスの再利用を手掛ける鳥取再資源化研究所(鳥取県北栄町)は国際移住機関(IOM)と共同で、ソマリアでの「節水型農業」向けに自社製品の発泡ガラス材を提供する実証事業を始めた。農地に発泡ガラス材をすき込んで保水力を高め、食料の確保を後押ししたい考えだ。

 ソマリアは厳しい乾燥に加え、内戦で国土が荒れ、多くの難民が食料不足に陥っているという。鳥取再資源化研究所は、水がたまる小さな穴が多く空いた砂利状の発泡ガラス材を土壌改良材として日本国内で販売している。

 同社のスタッフたちは11月、IOMの事務所があるケニアを訪れ、IOM職員とソマリア農業省の関係者に発泡ガラス材を土に入れる方法や水の管理法を教えた。IOM職員たちが来年1~4月、ソマリアの難民キャンプ周辺で発泡ガラス材をまき、トマトやホウレンソウ、レタス、ピーマンなどを試験栽培する。

 鳥取再資源化研究所は実証事業では発泡ガラス材を無償で提供。IOMに認められれば、販売につながる。

 同社は今年8月にケニアで開かれたアフリカ開発会議に出席。ソマリアで農業の指導をするIOMに持ち掛け、実証事業にこぎ着けた。「アフリカは人口増加で食料の需要が拡大する一方、気候変動で干ばつの多発が想定される。持続可能な農業技術の普及と食料確保に貢献したい」と説明している。(境信重)

(2016年12月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ