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浪江町長 8・6式典に 「援護法」取り組み学ぶ

 福島第1原発事故で全町避難を余儀なくされている福島県浪江町の馬場有町長が、8月6日の広島市の平和記念式典に参列することが10日、分かった。同町は広島、長崎の被爆者と同等の援護を実現する法整備を国に求めている。馬場町長は原爆犠牲者を追悼し、被爆者援護法が制定されるまでの取り組みなどを市や被爆者団体から聞き取る予定でいる。

 広島市によると、原発事故後、福島県の自治体の首長が式典に参列するのは初めて。

 馬場町長は5日に同町の健康保険課長と広島入り。6日の式典参列後、日本原水協などの原水爆禁止世界大会に出席するほか、広島県被団協の坪井直理事長を訪問。松井一実市長との懇談も要請している。

 同町は全域が国の警戒区域と計画的避難区域に指定され、約2万1千人の全町民が県内外に避難。平穏な生活が奪われ、放射線による健康不安を抱える。

 町は今月末から、事故後の避難経路や内部被曝(ひばく)検査の結果などを記入する「放射線健康管理手帳」を独自に発行し、全町民に配る。国には医療費が無料になる被爆者健康手帳と同等に扱うよう求めている。

 町は「被爆地の援護獲得の歩みに学び、町の取り組みへの協力もお願いしたい」としている。(田中美千子)

(2012年7月11日朝刊掲載)

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