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ドキュメント 日露首脳会談

  6・30 ロシアのプーチン大統領を迎える宇部市の山口宇部空港近くの国道交差点で、和歌山県警の警察官約20人が検問を始める。30年間、小学生の通学路で交通指導をする近くの江本光行さん(70)は「こんな厳重な警備は初めて」

  8・30 長門市通(かよい)の日本海沿いの海岸。近くの君川歌子さん(79)が、日露戦争で犠牲になった両国兵士の墓の周囲を清掃した=写真。「日ロ首脳会談が、両国間の領土問題の解決と平和につながってほしい」と願った。

  9・00 会談会場の大谷山荘(長門市深川湯本)では、外務省やロシア政府関係者の頻繁な出入りが続く。近くの音信(おとずれ)川では、住民2人が「きれいな温泉街に招きたい」と落ち葉を掃除した。

  9・40 長門市のJR長門湯本駅を、いずれも山口市の会社員坂本和美さん(48)と重田映子さん(48)が訪れた。坂本さんは「歴史的な瞬間に立ち会いたくて、休みを取ってきた」。重田さんは「プーチン氏を一目見たい」と話した。

 10・00 長門市通の日ロ両国兵士の墓に、安倍晋三首相の妻昭恵さん(54)が献花した。「住民が、敵味方に関係なく、ずっと慰霊を続けていることに感動した。ロシアの人にもこの事実を知ってほしい」

 10・30 大谷山荘がある湯本温泉で、プーチン氏を一目見ようという観光客が目立ち始めた。東京都の吉沢摩莉さん(31)は「こわもてのイメージだが、意外にユーモアがあり人情が深いのが魅力」と語った。

 11・00 プーチン氏の到着が予定より大幅に遅れるとの連絡で、長門市が緊急会議。会議室には職員がせわしなく出入りした。

 11・30 湯本温泉で小雨が降り始め、訪れた人たちが傘を差し始める。時折強く降りしきる場面も。

 11・51 安倍首相が山口宇部空港に到着し、政府専用機を降りた。宇部市の柳田正之さん(74)は「一生に一度の歴史的な一日になりそう。主役の2人をこの目で見たい」と、道路から双眼鏡をのぞいた。

 12・15 長門市内の全16小中学校で、ロシアの家庭料理のボルシチ、ピロシキをメニューにした給食が提供された=写真。日置小5年西林宗一君(10)は「新鮮な味。プーチン氏にもみそ汁など日本の料理を食べてほしい」と期待した。

 12・56 安倍首相が大谷山荘に到着。旅館関係者が出迎える中、十数台の車が乗り入れた。

 14・30 ロシアが編入したウクライナ南部クリミア出身の主婦エカテリーナ・ジノビエワさん(33)=広島市中区=は、ロシア国旗の小旗を持って湯本温泉を訪れた。「日本では『ロシアは怖い』という印象が根強い。日ロの友好が深まってほしい」と期待する。

 16・00 プーチン氏を沿道で歓迎するため、市民有志のおもてなし隊約300人が長門市深川湯本をバスで出発。湊3区自治会の伊勢本巧さん(69)は「またとない機会。しっかりと出迎えたい」と意気込む。

 16・45 山口宇部空港の入口交差点で、市民約60人がプーチン氏の特別機を一斉に撮影=写真。

 16・55 プーチン氏の特別機が山口宇部空港に到着。岸田文雄外相や村岡嗣政山口県知事が迎えた。車で長門市に出発し、山陽小野田市の会社員松田一輝さん(43)は「姿が全然見えなかった」と残念そう。

 17・25 安倍首相が大谷山荘を出て、周辺でプーチン氏を出迎える市民を握手などで激励した。

 18・05 プーチン氏を乗せた車が大谷山荘に到着。おもてなし隊が国旗を振って歓迎した。

 18・08 日ロ首脳会談が大谷山荘でスタート。当初の予定より2時間余り遅れてのスタートで、安倍首相とプーチン氏は冒頭、握手を交わした。

 19・25 会談に同席していた岸田外相やロシアのラブロフ外相たちが、通訳を残して退席。安倍首相とプーチン氏の2人だけの会談へ移行した。

 21・01 2人だけの会談が終了。

 21・21 会談を終えた安倍首相が記者団に「地元の皆さまに温かく迎えてもらった結果、いい雰囲気の中で首脳会談をすることができた。結果はあす、2人で記者会見して報告したい」と述べた。

(2016年12月16日朝刊掲載)

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