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フィリピン・タクロバン市との交流 福山市が活発化を検討

 福山市は親善友好都市のフィリピン・タクロバン市と、これまで疎遠だった行政間の交流を活発化させる検討を始めた。締結の経緯が不明確だったため、福山市側からの公式訪問は30年以上ない。

 市制100周年を記念した5月の福山ばら祭に、タクロバン市長が来訪する意向を示したことなどがきっかけ。福山市秘書広報課は「あらためてどう交流するか、市や市民のためになる形は何か、検討したい」とする。

 2010年にタクロバン市議たちが福山市役所に市長を訪問し、13年にフィリピンを襲った台風30号の災害では市や市議会が寄付金を募るなど、親善友好都市のつながりは続けている。ただ、いずれも市民団体「タクロバン・福山交流支援センター」が仲介。行政間での公式の親善交流はされていない。

 レイテ島にあるタクロバン市では戦時中、福山市出身者が中心の陸軍歩兵第41連隊の大半が戦死。1980年に当時の中川弘市長が慰霊に訪れ、提携を結んだ。しかし市の記録によると、市長は市や市議会に報告せず、85年に41連隊の関係者の指摘で表面化。当時の収入役たちがおわびに現地を訪れたという。

 市に交流を呼び掛けてきたセンター長の三谷干城さん(71)は「市の訪問団が行かない状態はおかしい。形だけでなく、実のある交流にしてほしい」と話した。(高橋清子)

(2016年12月17日朝刊掲載)

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