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動画で語り継ぐ「原爆の子の像」 禎子さん同級生の川野さん制作 ユーチューブに投稿

 平和記念公園(広島市中区)にある原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子さんの同級生、川野登美子さん(73)=中区=が、動画「語りでつづる 原爆の子の像~六年竹組の仲間たち~」を日英の2カ国語で制作した。動画投稿サイト「ユーチューブ」で見られる。

 地元の小学校や修学旅行で広島を訪れた学校から依頼され、家族や自身の被爆体験、佐々木さんと原爆の子の像建立についてのエピソードを証言してきた川野さん。多くの人に知ってほしいと約47分にまとめた。

 佐々木さんとは幟町小(中区)2年生の時からずっと同じクラス。ゴム跳びや縄跳び、ドッジボールなどを楽しみ、跳び箱を7段以上跳べるのは佐々木さんと自身の2人だけだった話や、6年のクラス対抗リレーで毎日練習して優勝した話などを紹介している。佐々木さんの入院が被爆したことが原因らしいと聞いた際には、「さだちゃんがかわいそう」の思いと同時に「もし私だったら…」と不安になった、という。

 佐々木さんが1955年10月に12歳で白血病で亡くなった後、14日法要で集まった同級生たち。佐々木さんの「墓」を広島に作ろうという話から、原爆で亡くなった子どもたちのための慰霊碑として原爆の子の像の建立につながった経緯や、募金活動が全国に広がった様子にも触れている。

 58年5月の像完成の喜びを「さだちゃんに始まり、原爆の子の像に終わった中学生活だった。多感な時期に一つのことに力を注ぎ、完成できた」としている。

 川野さんは「世界中でいろんな問題で争いが起きているが、一人一人が世界平和を願ってほしい」と話している。英語のタイトルは、Writing by talk “The Children’s Peace Monument”。(二井理江)

(2016年12月19日朝刊掲載)

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