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基町の歩み145点 軍都変遷 写真など展示 広島

 広島市中区の原爆資料館東館で13日、原爆ドームの北側に位置する基町地区をテーマにした企画展「基町 姿を変える広島開基の地」が始まった。戦前の「軍都広島」の中心地が原爆による壊滅、復興を経て、人々が住み、集う場となった変遷をたどる。

 基町地区は戦前、軍用施設が並んでいた。原爆の爆心地に近いため壊滅的な被害を受け、戦後は公営住宅用地となった。当初はバラック建ての不法建築が多かったが、1978年までに広島県と市の再開発事業で中高層アパート群に整備された。旧市民球場や文化・スポーツ施設も建設された。

 企画展では明治時代から現在までの145点の資料を展示。広島城内に置かれた大本営に入る明治天皇を描いた錦絵や被爆前後の航空写真、密集するバラック住宅などの写真が並ぶ。旧市民球場で57年7月にあった初ナイターのウイニングボールもある。

 秋田県三種町の介護福祉士工藤夏子さん(63)は「廃虚から現在の姿まで復興させた人の力のすごさを感じる」と話していた。

 企画展は12月12日まで。無料。(長久豪佑)

(2012年7月14日朝刊掲載)

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