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遺族待つ816人 名簿掲示 原爆供養塔の遺骨

 広島市中区の平和記念公園にある原爆供養塔の「納骨名簿」の張り出しが13日、全国各地で始まった。供養塔に納められている原爆犠牲者の遺骨のうち、名前が判明しながら引き取り手が見つからない816人分。10月末まで掲示され、遺族が名乗り出るのを待つ。

 広島市内では市役所や公民館、図書館など計170カ所に掲示された。中区の広島バスセンターでは縦100センチ、横70センチのポスター状の名簿が出発ホーム入り口に張り出された。名簿は五十音順で、当時の年齢や住所など分かる範囲の手掛かりも記している。

 安佐北区のパート職員楢﨑文子さん(61)は「手掛かりがありながら67年も遺族が見つからないのは悲しいですね」と話していた。

 市は1985年から名簿の全国発送を開始。今夏は自治体や被爆者団体など1976カ所に送り、掲示を依頼した。(加納亜弥)

(2012年7月14日朝刊掲載)

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