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米高校生と慰霊碑巡り 舟入高生 交流通じ原爆を学ぶ

 舟入高(広島市中区)は11日、研修旅行で同校を訪問中の米ミネソタ州のイーストビュー高の2、3年生9人と一緒に平和学習をした。原爆で生徒の多くが亡くなった、前身の市立第一高等女学校の原爆慰霊碑(同)などを回り、平和への思いを新たにした。

 国際コミュニケーションコースの1年生41人が、中区の平和記念公園内にある原爆慰霊碑や原爆の子の像を案内。「佐々木禎子さんは被爆から10年後に白血病で亡くなった」などと英語で説明しながら回った。公園南にある市立高女の慰霊碑では日米の生徒が合同で献花し、建物疎開中に原爆の犠牲になった先輩に思いをはせた。

 碑巡りに先立ち、被爆当日、たまたま作業を休み、宇品(現南区)の自宅で被爆した当時2年生の矢野美耶古さん(81)=西区=の被爆証言も聴いた。

 3年アシュリー・テリーさん(17)は「被爆者や生徒の話を聴き、原爆を自分のこととして捉えることができた」。舟入高1年川村円香さん(15)は「広島人の使命として、海外で原爆のことを伝えられるよう今後も勉強したい」と話していた。

 イーストビュー高は1年おきに日本への研修旅行を実施。舟入高との交流は一昨年に続き2度目。「生徒との交流を通して原爆について知ってもらいたい」と、舟入高側が平和学習への参加を初めて呼び掛け、実現した。(増田咲子)

(2012年7月16日朝刊掲載)

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