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国は請求棄却求める 安保法違憲訴訟 広島地裁

 集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法は憲法違反として、広島県の被爆者たち165人が、国に関連法に基づく自衛隊の出動差し止めなどを求めた訴訟の第1回口頭弁論が21日、広島地裁であった。国は出動差し止めと、1人当たり10万円の慰謝料支払いのいずれの請求も退けるよう求めた。

 国側は、自衛隊出動は国民に不利益の受忍を直接的に義務づけていないと主張。原告の「戦争やテロの恐怖で平和的生存権を侵害された」との主張に対しては「具体的な権利性がない」と反論した。

 原告側は、戦争体験者や被爆2世の計4人が意見陳述。原告団共同代表の一人で広島市東区の杉林晴行さん(76)は、幼少期の呉空襲の経験を明かし、「戦争被害はもう誰にも体験させたくない」と訴えた。

 原告側は、新任務「駆け付け警護」などが可能になった陸上自衛隊の南スーダン派遣を受け、次回弁論の3月までに追加提訴する方針を明らかにした。

(2016年12月22日朝刊掲載)

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