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戦争・原爆のの愚かさを表現 組曲「土の歌」を24日発表

■記者 森田裕美

 広島大付属中・高(広島市南区)の同窓生でつくる混声合唱団「コールアカシア」が戦争や原爆開発に突き進む人間の愚かさを表現した組曲「土の歌」を24日、県民文化センター(中区)で開く定期コンサートで披露する。被爆を経験したメンバーの提案に後輩が賛同し、予定の倍を超える約100人が出演を志願。本番に向けて練習を重ねている。

 広島出身の詩人大木惇夫(1895-1977年)が1962年に作詞した「土の歌」は「死の灰」「大地讃頌(さんしょう)」などの7楽章。科学文明を戦争や原爆に利用したことの批判と平和な未来への期待を歌う。

 合唱団の創立20周年となる今年のコンサートを前に、被爆者で会社役員の松尾康二さん(71)=東京都=たちが「戦争や核使用の危険がくすぶる現代こそこの歌が必要」と提案した。現役生徒や同窓生以外も含め、10-70歳代の約100人が舞台に立つことになった。

 メンバーの薬剤師高橋裕子さん(50)=広島市中区=は「ヒロシマの意味が響くよう歌いたい」。市職員渡辺大祐さん(26)=南区=も「歌の精神を若い世代にも広めたい」と張り切る。当日は午後2時から。1000円。猪原事務局長Tel082(923)8332。

(2008年11月9日朝刊掲載)

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