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　中国電力の上関原発（山口県上関町）の建設計画の撤回や島根原発（松江市）の廃炉を求める訴えを市民が裁く「原発を問う民衆法廷」が１５日、広島市中区であった。大学教授４人でつくる判事団は原告の訴えを認めた。

　弁護士や市民でつくる法廷事務局の主催で約１００人が傍聴。申立人の一人、島根原発増設反対運動代表の芦原康江さん（５９）＝松江市＝は、原発の耐震性は低いと主張し「重大事故が起きる危険性が高い」と述べた。

　一方、中国電力や国などの立場で意見を述べた弁護士は「緊急の安全対策を将来にわたって確実に実施する予定。原発が重大事故を招くとする主張は予断と偏見だ」と訴えた。

　広島市立大広島平和研究所の田中利幸教授たち判事団は「原発事故は核兵器の使用と同様に、心身両面の健康に重大な害をもたらす」と指摘した。（胡子洋）

（２０１２年７月１６日朝刊掲載）