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オスプレイ 岩国搬入 反対へ気勢 「日米政府に声を」

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米海兵隊岩国基地への先行搬入に反対する連合山口(杉本郁夫会長)の市民集会が16日、地元岩国市の市民会館であった。中国5県から集まった約千人が搬入反対を誓うアピール案を採択するなど日米両政府に強く抗議した。

 集会には中国5県の連合のほか、岩国市の福田良彦市長、地元選出の平岡秀夫民主党衆院議員、民主、社民の山口県議、共産を含む地元市議も参加。杉本会長は「反対の声を日米両政府に届けよう」と呼び掛け。福田市長も「搬入阻止を最後の最後まで頑張る」と決意表明した。

 連合中国ブロック連絡会の伊丹幸男代表幹事(連合広島会長)は「国民の生命財産を守るのが政府。連合は、これを果たさぬ政権を支える意味はない」と訴え。最後に、オスプレイの安全性を疑問視し安全性が確保されない搬入への反対を誓うアピール案を採択、阻止へ気勢を上げた。

 岩国基地問題について5県の連合での行動は、米空母艦載機の岩国移転計画白紙撤回を訴えた2008年6月の集会以来。(堀晋也)

危機感 県境越え共有 日米政府への抗議 口々に

 「政府は地元の民意を尊重せよ」―。岩国市の米海兵隊岩国基地に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが先行搬入される計画をめぐり、中国5県の労働組合員たち千人が16日、岩国市で怒りの声を上げた。連合山口が市民会館で開いた集会。広島、島根などからも駆け付け、計画を撤回しない日米両政府への強い抗議が広がった。(酒井亨、堀晋也)

 会場入り口には「オスプレイ搬入反対」と書かれた青地に白い字ののぼりと、各労組ののぼりが立て掛けられ、労組員たちが中国地方から続々と集まった。祝日のため家族連れの参加者もいた。

 「もしオスプレイが墜落したら…。大きな不安の中で暮らしている」。岩国市職労の松田剛さん(41)は子ども3人を連れて会場入り。自宅は米軍機の飛行ルートに近い同市由宇町。松田さんは「安全性にほころびがあるのに計画を進めようとするやり方に賛同できない」と日米両政府に不信感を募らせた。

 市外からも多くの労組員が駆け付けた。萩市から参加した日本郵政グループ労組山口長北支部の古屋佳奈さん(21)は「政府が今まで地元住民に説明していないのはおかしい」と政府の説明責任に首をかしげる。

 米海兵隊は広島、島根両県の山間部などを通るルートをオスプレイの訓練に利用する可能性がある。集会のステージには、中国5県の連合幹部が並び、危機感を訴えた。

 広島県西部から参加した連合広島大竹・廿日市地域協議会の堀谷俊志議長は「今も米軍機が飛行する中国山地は、オスプレイが配備されれば危険性は増す。地域や労働団体に限らず連携して反対の声を上げたい」と力を込めた。

(2012年7月17日朝刊掲載)

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