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笠岡から平和の願い新た 元海軍兵の川上さん 被爆者の土屋さん 感慨深く 今後期待

首相の真珠湾慰霊に「昨日の敵はきょうの友」

 安倍晋三首相が米ハワイの真珠湾へ慰霊に訪れた28日、笠岡市の元海軍兵と被爆者はニュース映像を見ながら、あらためて平和な社会が続くよう願った。(谷本和久)

 75年前の真珠湾攻撃に関わった元海軍兵の川上秀一さん(98)=笠岡=は、安倍首相が退役軍人に寄り添う場面に思わず見入った。「手を握ったのが印象的。言葉はなくても大きな意味があった。昨日の敵はきょうの友との思いだ」と感慨にふける。

 川上さんは真珠湾攻撃時、空母「瑞鶴」の航空整備兵で、飛び立つ多くの戦闘機を見送った。「戦争は国民が望んだのではない。今後は、戦争せざるを得ない状況をつくってはいけない」と強調した。

 原爆投下直後の1945年8月6日午後、広島での被災者救出活動で被爆した県原爆被爆会会長の土屋圭示さん(88)=富岡=も、当時の惨状と、戦後の日本の歩みを振り返った。「悲劇の始まりは真珠湾と言えるかもしれない。安倍首相の慰霊で区切りは付いた。大事なのは今後。絶対に戦争や原爆のない社会にしてほしい」と願った。

(2016年12月29日朝刊掲載)

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