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オスプレイ 23日早朝岩国基地沖か 

 垂直離着陸輸送機MVオスプレイを23日に米軍岩国基地(岩国市)へ搬入する日程を、米政府は非公式に日本側へ伝えた。日本政府は搬入を容認し、20日に山口県や岩国市に連絡して理解を求める。日本政府関係者が19日、明らかにした。搬入は22日に早まる可能性もあるという。

運搬船 「関門」通過時刻を連絡

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機を積んだ民間運搬船グリーンリッジ(32326トン)は関門海峡から周防灘を抜け、広島湾に入るとみられる。19日夕に関門海峡交通センター(北九州市)に入った連絡では、22日午後7時半に関門海峡を通過する予定で、23日早朝にも岩国市沖に姿を見せる見込みだ。

 グリーンリッジは時速20キロ程度で海上を航行し、関門海峡から米海兵隊岩国基地までの約200キロなら通常10時間程度で到達する。22日午後7時半に下関市西沖の六連島北側から海峡に進入し、海峡通過には60~90分かかるという。

 岩国市の船舶関係者によると、関門海峡通過後は周防灘を東に進み、祝島(山口県上関町)、八島(同)の南側を通過して北上。中島と怒和島(いずれも松山市)の間を抜け、基地に向かう可能性が高い。この航路は自衛艦なども航行することの多い、最も安全なルートの一つだ。

 広島湾に入ると、基地沖には一般の船舶が航行できない18・7平方キロもの提供水域がある。この水域は米軍が管理しており、基地問題に詳しい元山口県議の久米慶典さんは「関門を抜ければ、反対運動ができない提供水域までノンストップで進むだろう」と話す。

 基地監視団体リムピースも「23日の早い時間に基地沖まで来て、その日のうちに搬入するだろう」とみている。(大村隆、酒井亨)

平岡氏ら「搬入阻止を」 官房長官に連合の要請書

 民主党の平岡秀夫元法相(山口2区)ら山口県を地盤とする同党国会議員3人は19日、首相官邸で藤村修官房長官に会い、米海兵隊岩国基地(岩国市)への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの搬入を阻止するよう申し入れた。

 面会は非公開。平岡氏によると、「オスプレイの搬入反対は県民、市民の強い思い」などとして搬入阻止を政府に求める連合山口の要請書を提出。全国各地で実施される低空飛行訓練への懸念も伝えた。藤村氏は「しっかり受け止める」と答えたという。

 平岡氏は記者団に「地元住民への影響を軽減するために何をなすべきか大きな課題」と話した。(岡田浩平)

国民新の幹事長「搬入させない」 岩国市長と会談

 国民新党の下地幹郎幹事長は19日、米海兵隊岩国基地などの視察で立ち寄った岩国市役所で福田良彦市長と会談し、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを、事故調査結果や再発防止策が出るまで先行搬入させないという考え方で一致した。

 下地幹事長は会談で「調査結果を見ずして強引に搬入するのはおかしい」と日米両政府を批判。米政府が示した23日の先行搬入について「このスケジュールは変更させないとだめだ」と強調した。

 会談後、下地幹事長は記者団に「輸送船が来ても、船から(オスプレイを)出さないよう野田佳彦首相らに伝える」と述べた。

(2012年7月20日朝刊掲載)

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