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岸田外相在職 戦後2位 1472日 核軍縮どうリード

 岸田文雄氏(広島1区)は5日、外相の在職日数が故大平正芳氏と並んで戦後2位の1472日となった。1位は故吉田茂氏の1909日。米国の政権交代や韓国政局の混乱など年初から先行きの見通せない国際情勢となっていることしは、力量が問われる局面が続きそうだ。

 注目されるのが、国連で3月に始まる「核兵器禁止条約」の制定交渉だ。日本は昨年、交渉開始の決議案に「核兵器保有国と非保有国の協力を重視する」として反対した。岸田氏は交渉には参加する意向を示すが、被爆国として核軍縮をどうリードしていくかが問われる。

 最大の核兵器保有国である米国の大統領は、核戦力強化を打ち出すトランプ氏に代わる。同国と安全保障や経済分野でどのような関係を築くのかも重要となる。朴槿恵(パククネ)大統領が退陣を表明した韓国とは慰安婦問題解決のめどが立たず、核開発を進める北朝鮮、海洋進出を強める中国とも粘り強い交渉が求められる。

 岸田氏は「就任当初はこれほど長く務めると思っていなかった。先輩方と比べ恥ずかしくない結果を出していかなければいけない」とのコメントを出した。このまま外相を担い続ければ、2018年3月に1位となる。

 在職期間で並んだ大平氏は、自民党の派閥・宏池会会長の先輩でもある。「ポスト安倍」とされる岸田氏に対し宏池会内には「外相としての実績も大切だが、麻生派との合流などで政局の強さも身に付けてほしい」との声もある。(野崎建一郎)

(2017年1月6日朝刊掲載)

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