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伊方原発運転差し止め 地裁岩国に住民請求へ

 四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)3号機の運転差し止めを求め、山口県の住民が3月、山口地裁岩国支部に仮処分を申し立てる方針を固めたことが6日、分かった。3号機は昨年8月に再稼働。運転差し止めを求める請求は地元・松山と周辺の広島、大分の各地裁に起こされている。

 この日、周南市で準備会があり、脱原発を求める市民や県議、弁護士たち約45人が参加。申立人を3人程度とし、半径50キロ圏か周辺の住民から決めることなどを確認した。50キロ圏は福島第1原発事故の被害が甚大だったエリアと説明し、伊方原発の場合、山口県では中国電力上関原発計画のある上関町の全域と周防大島町の大半、柳井市、平生町の一部などが含まれる。

 申し立てでは南海トラフに加え、長大な活断層「中央構造線断層帯」が近くにあり、地震で猛烈な揺れや津波に襲われる恐れがあることなどを指摘する見通しだ。弁護団の中村覚弁護士は「重大事故が起きれば大量の放射性物質が放出され、海以外に遮る物がない対岸の住民に深刻な被害が生じることを訴える」と話している。(山中和久)

(2017年1月7日朝刊掲載)

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