×

ニュース

江戸期?の土葬墓 発見 広島市 原爆資料館の発掘調査

 広島市は6日、原爆資料館(中区)の本館下で進めてきた発掘調査で、墓地があった被爆時の地層のさらに下から、江戸期のものとみられる土葬墓の跡が見つかったと発表した。発掘調査を先月末に終える予定だったが、さらなる出土がないか、範囲を広げて、ことし3月まで続ける。

 市平和推進課によると、本館敷地の北側、浄圓寺の墓地があった被爆時の地面を60~70センチ掘り下げたところ、先月上旬に土葬墓の跡が出土。遺体を納めた木製の「座棺」を埋めた跡とみられる、直径80センチほどの円形の遺構が約20カ所あった。その中に残っているのは人の骨とみている。

 同課によると、江戸期の土葬墓の上に、明治から大正期にかけて近代墓が築かれた可能性があるという。近代墓は原爆で倒壊。浄圓寺は現在の中区中島町に移転した。市は出土した骨を同寺に引き取ってもらう。

 本館の耐震補強工事の開始は発掘調査の終了を待つため、4月以降にずれ込む見通し。市は2018年7月の本館再オープン、19年7月の工事完了というスケジュールに影響が出ないよう、工事業者と協議するという。(長久豪佑)

(2017年1月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ