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東京原爆展 惨状に迫る 都庁で始まる

 原爆の日を前に「東京原爆展」が20日、都庁で始まった。都原爆被害者団体協議会(東友会)の主催。被爆画家の油絵やパネルなど約80点を展示し、24日まで。

 注目は、広島洋画壇の草分け、故神田周三が原爆をテーマに描いた油絵10点。家族が先月、東友会に贈った。真っ黒な中に炎だけが揺らめく廃虚、火の中で子どもを抱きしめる母親…。重厚なタッチで惨状を伝える。

 ほかに日本被団協の写真パネルなどもあり、来場者は真剣な表情で見入っていた。東京都稲城市の主婦(66)は「福島の原発事故もあり、核の怖さを次代に伝えないと」と話した。

 原爆展は5回目で、原爆の日を間近に開くのは初めて。昨年までこの時期は追悼行事を開いていたが、都内の寺にある慰霊碑の移転などに伴い、追悼行事の日程を10月上旬に変更した。

(2012年7月21日朝刊掲載)

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