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被爆ちょうず鉢を補修 広島市東区の饒津神社で始まる

 広島市東区の饒津(にぎつ)神社境内に残る被爆ちょうず鉢の補修工事が11日、始まった。同神社ゆかりの旧広島藩主浅野家の広島入城から400年に当たる2019年に向けた記念事業の一環で取り組む。

 縦121センチ、横212センチ、高さ93センチの花こう岩製で、背面に「文化八年」(1811年)と刻む。表面の剥落やひび割れなど被爆の爪痕を残しながら、愛知県の石材業者が水漏れを防ぐ作業を15日ごろまで進める。

 同神社は初代藩主浅野長晟(ながあきら)らを祭る。爆心地の北東約1・8キロにあり、原爆で焼失した社殿などは戦後に再建された。ちょうず鉢は補修後、木造屋根を据えて参拝客に利用してもらうという。

 浅野史政権禰冝(ごんねぎ)(45)は「被爆や戦前の歴史を語り継ぐ証しに活用したい」と話している。(林淳一郎)

(2017年1月12日朝刊掲載)

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