×

ニュース

エネ聴取会 中電、社員出席を検討 政府方針受け断念

 将来のエネルギー・環境政策について国民から意見を聞く政府の意見聴取会で、中国電力が、29日に広島市中区である聴取会に社員を出席させて、社の意見を表明する方針だったことが分かった。政府が電力会社としての意見表明を認めない方針を決めたことを受け、中電は断念した。(和田木健史)

 意見聴取会は14日始まり、東北電力と中部電力の社員が原発推進の意見を述べて、批判を受けた。両社は「個人として出席した」としており、社として出席させる方針を決めたことが明らかになるのは中電が初めて。

 中電によると、12日付の社内文書で方針を社員に周知した。「経営企画部門を中心に参加申し込みを行い、機会が得られれば当社意見を表明する予定」と明記。2030年の原発比率を20~25%にする選択肢を支持する立場で、1人が意見を述べる予定だった。

 個人での参加希望に対しては「自分の意思で意見提出するのは自由」としていた。

 中電は「社としての意見表明が聴取会の趣旨に沿うかどうかを政府に確認した上で応募するつもりだった」と説明。「電力の安定供給を担う当事者の立場から、考えを分かりやすく説明するためだった」としている。

 聴取会は29日午後1時から、中区八丁堀の広島YMCA国際文化センターである。

g>意見聴取会g>
 東京電力福島第1原発事故を受け、政府が新たなエネルギー戦略を8月にまとめるのを前に開催。国民の声を直接聞くのが狙いで、8月4日までに全国11都市で開く。政府のエネルギー・環境会議が将来の原発比率に応じて示した三つの選択肢をもとに、抽選で選ばれた人が意見を述べる。

(2012年7月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ