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平和大橋欄干と調和 広島市、歩道橋デザイン決定

 広島市は17日、中区の元安川に架かる平和大橋の歩道の混雑解消のため、2018年度に北側へ新設する歩道橋のデザインを決めた。彫刻家イサム・ノグチ(1904~88年)が設計した平和大橋の欄干の外観を損なわない設計で、象徴的な親柱に触れられるスペースも設ける。

 歩道橋は長さ86・0メートル、幅5・7メートルで、平和大橋に接する形で架ける。平和大橋の両端にある、太陽を模した欄干の親柱そばには空間を確保。レーンは歩行者(幅3・5メートル)と自転車(2・0メートル)に分離する。

 平和大橋と調和するよう歩道橋の欄干(高さ1・1メートル)は北側だけに設置。アルミ製支柱を2メートル間隔で立て透明の強化ガラスをはめこむ。夜間照明は歩行者の足元を照らす程度にする。

 市は2014年12月に、建築や美術の専門家たち7人の会議にデザイン案を提示。3回目の審議となったこの日の会合で、ほぼ原案通りで賛同を得た。座長の広島大大学院の岡河貢准教授(建築設計学)は「平和大橋はノグチの芸術作品でもある。ヒロシマにとって価値のある工事にしてほしい」と注文した。

 市は14年10月に歩道橋の工事に着手した。18年度の完成後は平和大橋の北側歩道をなくし、車道を広げる。南側歩道は現状を維持する。(和多正憲)

(2017年1月18日朝刊掲載)

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