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原爆関連写真2100点収集 米から資料館 順次公開へ 広島

 原爆資料館(広島市中区)は24日、原爆に関する約2100点の写真を米議会図書館、米海軍歴史遺産部、米国立空軍博物館の3館から収集したと発表した。これまで持っていなかった市街地の被害の空撮や復興期の貴重なカットを確認。資料館ホームページ(HP)で順次公開する。(水川恭輔)

 職員2人が昨年11月28日~12月8日に渡米して3館の資料を初調査。各館から700枚前後、スキャンや接写で集めた。これまでなかったカットが100点以上あるとみられるという。

 この日は10点を報道機関に公開。1945年9月前半の撮影とみられる広島駅(現南区)周辺の空撮は低空で撮られ、段原、牛田地区周辺の全焼・全壊の境がよく分かる。米軍が原爆の「効果」を詳細に把握するのに写した可能性がある。

 米海軍の水兵が55年9月に原爆慰霊碑を見学したカットには同年8月24日に開館した資料館が写っており、水兵が資料館を見学したかどうかなどを今後調べる。原爆を投下したB29爆撃機エノラ・ゲイ号から撮った「きのこ雲」の写真は過去に2点を確認していたが、やや遠目の1点を新たに入手。46年1月の焼け跡の空撮に、同機の機長の故ポール・ティベッツ氏らがサインした写真もあった。

 資料館は「高精度で拡大してもはっきり見える資料が多い。調査を続けて被害の実態のさらなる把握に生かしたい」としている。

(2017年1月25日朝刊掲載)

他の7点はこちらから。

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