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アスチカ、支援強化急ぐ 福島自主避難 住宅提供3月末打ち切り 広島 来月に相談会

 福島県が福島第1原発事故に伴い全国各地に自主避難している住民への住宅無償提供を3月末で打ち切るため、広島県内への避難者たちでつくる「ひろしま避難者の会 アスチカ」が相談態勢を強化している。活動範囲を山口、島根両県にも広げ、2月に相談会を広島市南区で開く。(奥田美奈子)

 広島市西区に窓口を置くアスチカは昨年6月から、福島県が全国に25カ所開いた支援拠点の一つとして、山口、島根両県への避難者の相談も引き受ける。岡山、鳥取両県は一般社団法人ほっと岡山(岡山市北区)が担当する。

 アスチカは、住宅無償提供の打ち切りに代わる福島県の家賃補助制度、避難者を受け入れる自治体の支援制度などの情報提供に力を入れる。三浦綾代表(43)は「帰還か定住かのいずれを選ぶにせよ、生活基盤を整えるための情報収集は欠かせない」と強調する。

 復興庁によると、福島県から中国地方5県への避難者数(昨年12月時点)は広島202人、山口61人、岡山268人、島根56人、鳥取79人。居住地を申告していない避難者もいるとみられ、三浦代表は「東日本大震災から6年たとうとする今なお、支援の手が届いていない人がいるかもしれない」と危惧する。

 相談会は福島県の委託事業として2月18日午後1~4時、広島市南区松原町の市総合福祉センターで開く。希望者は17日までに申し込む。ふくしま生活再建支援センターTel(0120)242940=火・水・金曜の午前10時~午後4時。

 アスチカは宮城県からの自主避難者の相談窓口も担っている。みやぎ避難者帰郷支援センターTel(0120)738124=月-水曜と金曜の午前10時~午後4時。

福島県の住宅無償提供
 福島県は災害救助法に基づき、福島第1原発事故で県外へ避難した住民の移転先を応急仮設住宅として借り上げ、無償提供している。2015年、避難指示区域外は生活環境が整ったとして、自主避難者への無償提供は17年3月末で打ち切る方針を示した。代わる支援策として県は、避難を続ける低所得世帯を対象に19年3月までの約2年間、民間賃貸住宅の家賃を1年目は半額(上限月3万円)、2年目は3分の1(同2万円)を補助する。ことし3月までに県外から帰還した世帯には引っ越し費用として5万~10万円を交付する。

(2017年1月28日朝刊掲載)

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