×

ニュース

自民副総裁の連続在任 高村氏 戦後トップタイ

 高村正彦氏(山口1区)は29日、自民党副総裁の連続在任が1585日となり、故椎名悦三郎氏と並んで戦後トップタイとなった。重要政策や懸案事項に関する党の取りまとめ役で、当面は、天皇陛下の退位を巡る党内意見を集約する。

 総裁を補佐する副総裁は常設ではなく、党が任意で置く役職。高村氏は戦後11人目で、2012年9月28日から4年4カ月にわたり担い続けている。トータルの在任日数でも、故大野伴睦氏の2142日、故川島正次郎氏の1886日に続く3位となった。

 高村氏は外相経験などを買われて副総裁に就任し、12年12月の第2次安倍内閣発足以降は、政権を党側から支えてきた。安全保障関連法の制定では、党の中心的役割を果たした。(野崎建一郎)

「平和安全法制 印象的」 党三役の調整に力

 副総裁としての連続在任日数が戦後歴代トップとなった高村正彦氏。中国新聞社のインタビューに応じて在任4年4カ月を振り返り「平和安全法制(安全保障関連法)が成立したことが最も印象的だ」と述べた。(野崎建一郎)

  ―どんな心構えで副総裁を担ってきましたか。
 幹事長、総務会長、政調会長の党三役がしっかり力が発揮できるような調整に心を砕いてきた。今の政治システムは政党政治下の議院内閣制だから、支える党がしっかりすれば、内閣が強くなるとの思いもある。

  ―印象に残る出来事は。
 集団的自衛権を一部認める平和安全法制を仕上げたことが最も印象的だ。自国の平和を維持するためには、自ら戦争を仕掛けないとともに、戦争を仕掛けられないことが重要だ。抑止力を高める日米同盟の強化につながったと考える。

  ―集団的自衛権の行使容認には、野党や世論に反発もありました。
 国連平和維持活動(PKO)協力法の時と同様に法成立が徴兵制につながるという間違った認識があったが、今は理解が得られたと思う。刹那的な世論でなく、冷静になった国民の意思を想定して判断するのが政治だ。

  ―後見役として安倍晋三首相にどのような助言をしてきましたか。
 首相は忙しいので、邪魔をしないよう心掛けている。あえて挙げれば、総裁任期の延長論について、安倍首相に限るのではなく誰にでも適用できる制度として議論すべきだと党幹部の会合で進言した。

  ―天皇陛下の退位を巡る党内意見をどうまとめますか。
 静かな環境を保持するために少人数の懇談会を設置する。一方、党の議員全員に呼び掛けて書面で意見を出してもらう。国民の総意がどこにあるのか見極めながら集約したい。

  ―安倍政権の今後の課題は。
 経済が最重要課題だ。安倍政権はデフレ脱却と財政再建の両立を目指すとしている。政権の経済政策アベノミクスは道半ばだが、雇用や格差縮小で成果が出ている。さらに成長戦略を軌道に乗せなければいけない。

(2017年1月29日朝刊掲載)

年別アーカイブ