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故宇根さん献水 朗読劇に 被爆者供養の心継ぐ

 広島市内各地にある原爆死没者の慰霊碑に供養の献水を続け、2月に93歳で亡くなった宇根利枝さんにスポットを当てた朗読劇が28日、南区宇品御幸4丁目の宇品公民館で上演される。宇根さんの遺志を伝えようと、地元の朗読サークル「野の花」と公民館が企画した。

 宇根さんは、原爆投下後に水を求めて息絶えた犠牲者を悼み、1955年に献水を始めた。宇根さんの姿を描いた絵本「ヒロシマのいのちの水」を基に、サークルの指導役で元NHK広島放送劇団の谷信子さん(84)=南区=が脚本や演出を手掛け、約20分間の朗読劇を仕上げた。

 50~70代の主婦たちメンバー5人が4月から週1回の練習を積んできた。情感豊かに台本を読み、アドリブもこなす。水坂美智子代表(56)=同区=は「宇根さんのひたむきな思いに敬意を込め、平和のありがたみを伝えたい」と話す。

 朗読劇は午前11時半ごろから。当日は同10時半から、原爆体験手記の朗読やフルート演奏もある。無料。宇品公民館Tel082(253)2529。(柳岡美緒)

(2012年7月25日朝刊掲載)

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