×

ニュース

放射線医療 広島で学ぶ HICAREなど主催 国内外の29人参加

 アジア各国の医師たちが最先端の放射線医療を学ぶ研修が30日、広島市東区の広島がん高精度放射線治療センターで始まった。放射線被曝(ひばく)者医療国際協力推進協議会(HICARE)と国際原子力機関(IAEA)による合同研修。2月2日まで4日間の日程で、イラク、マレーシアなど10カ国・地域と日本の医師や医学物理士計29人が参加する。

 講師を務める米カリフォルニア大のマック・ローチ教授(放射線腫瘍学)が「専門家は放射線が無実の人を苦しめ得ることも意識すべきだ」とあいさつし、被爆地での開催意義に言及。その後、ローチ氏たち講師10人が、肺や脳などのがんに対する放射線治療や有効性に関して講義した。

 台湾から参加した呉元宏医師(40)は「日本の放射線医療の現状を知り、台湾の医療向上につなげたい」と意気込んでいた。

 HICAREとIAEAの合同研修は2013年に始まり4回目。同センターでは初めて。永田靖センター長は「アジアで放射線治療を担う人材育成に貢献できれば」としている。参加者は同センターでの実技指導のほか、広島赤十字・原爆病院(中区)や放射線影響研究所(南区)も訪れ、被爆者医療や放射線の人体への影響についても学ぶ。(明知隼二)

(2017年1月31日朝刊掲載)

年別アーカイブ