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原爆ドーム参考に 震災遺構保存 広島知事と会議 宮城知事が視察

 広島県の湯崎英彦知事と宮城県の村井嘉浩知事は31日、広島市南区のホテルで両県知事会議を開いた。会談に先立ち、両知事は中区の原爆ドームを視察した。宮城県では東日本大震災の津波で職員たち43人が犠牲になった南三陸町の防災対策庁舎の恒久保存の是非が議論になっており、震災遺構の保存を巡る検討に役立てる。

 村井知事は原爆ドームの取り壊しか保存かで揺れた約20年間の経緯を市職員から聞いた後、湯崎知事と一緒にドーム内部を見て回った。原爆資料館も見学し、湯崎知事から被爆資料の役割について説明を受けた。

 宮城県は2015年9月、震災20年後まで庁舎を県有施設とする協定を同町と締結。町は庁舎を恒久保存するかどうか時間をかけて議論する方針だ。村井知事は「ドームがあるがゆえに原爆の恐ろしさを肌で感じることができる。後世に伝えていくことも今生きているわれわれの責務。震災遺構を巡る議論で多いに参考にしたい」と語った。

 知事会議では、広島、仙台の両空港を結ぶ直行便を活用し、外国人観光客を含めた交流人口の拡大に連携して取り組むことで一致した。知事会議は15年5月に宮城県松島町で初めて開催し、今回が2回目。(胡子洋)

(2017年2月1日朝刊掲載)

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