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舞台で問う「共に生きる」 ハンセン病とHIV題材 広島学院演劇部、5日公演

 広島市西区の広島学院中高の演劇部が5日、ハンセン病やエイズを題材にした劇「光りの扉を開けて」を沖縄県の高校生や元患者たちと中区で上演する。偏見や差別の残る社会で「共に生きるとはどういうことか」と問い掛ける。(新谷枝里子)

 エイズウイルス(HIV)に感染していると告げられた女子高生が差別や偏見におびえる中、ハンセン病回復者の「八重子おばぁ」と出会い、生きる勇気を見いだすストーリー。実話を基にNPO法人HIV人権ネットワーク沖縄(那覇市)が制作した。

 演じるのは中学3年~高校2年の部員12人と同県の高校生たち約25人。部員は1月中旬にハンセン病の療養所「沖縄愛楽園」(同県名護市)で合宿した。劇のモデルとなったハンセン病回復者たちから、家族も差別された当時の苦悩などを聞いて理解を深めた。

 高校2年の友定耕太郎さん(17)は「エイズもハンセン病も知っている気になっていたが、何も理解していなかった。差別を繰り返さない大切さを劇で伝えたい」と話す。

 きっかけは2015年に演劇部顧問の伊藤潤教諭(44)が同県で鑑賞した同法人の公演。広島での公演を依頼したところ、同校が瀬戸内市のハンセン病療養所を毎年訪れていると知った法人側から演劇部との共演を提案された。この劇で沖縄以外の出演者が参加するのは初めてという。

 5日午後2時から中区の市青少年センターである「人権フォーラム2017in広島」で披露する。県と同法人の主催。入場無料。同法人Tel098(886)1415。

(2017年2月2日朝刊掲載)

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