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艦載機E2D 岩国到着 日本初運用 配備前訓練へ

 岩国市の米海兵隊岩国基地に2日、米海軍の空母艦載機、E2D早期警戒機5機が米バージニア州ノーフォーク基地から到着した。日本では初の運用となる。在日米軍再編で米海軍厚木基地(神奈川県)から岩国基地に移転を計画する空母艦載機の1部隊として、今後2、3カ月間、岩国を拠点に訓練する。日本政府は、早ければ7月以降に始まる予定の艦載機移転に備えた「配備前訓練」と位置付けている。(野田華奈子)

 岩国基地上空に5機編隊で現れたE2Dは午後3時47分、最初の1機が滑走路に着陸。順番に駐機場へ向かった。E2Dを運用する第125早期警戒飛行隊長のダニエル・プロハースカ中佐は到着後、報道陣を前に「日米同盟の強化に寄与できることを誇りに感じる」と述べた。

 E2Dは現在、厚木基地に所属するE2Cの後継機。空母のための早期警戒と指揮統制を担う。国や米海軍の説明によると、岩国で2、3カ月程度、空域や地上管制の慣熟訓練を実施した後、空母ロナルド・レーガンに搭載。空母が横須賀に寄港するとみられる7月以降を、移転の開始時期としている。配備前訓練の目的について国は「抑止力を維持し、日米安保条約の目的を達成するために必要」としている。

 艦載機移転計画を巡っては、国が1月20日、山口県と市に移転スケジュールやE2Dの配備前訓練を伝達。早ければ7月から2018年5月にかけて、E2Dを含むFA18スーパーホーネットなど7部隊計約60機が順次配備される予定だ。

 県と市は艦載機移転の容認の是非を表明しておらず、市議会などからはE2Dの到着が容認判断に先立つ「先行移転」との批判も相次いでいる。

E2D早期警戒機
 広範囲にわたり敵を見つける能力に優れた米海軍の早期警戒機で、米ノースロップ・グラマン社が開発。機体上部に、最新鋭のレーダーや各種の情報収集装置を備えた直径約7・3メートルの円盤を搭載する。集めた情報をほかの戦闘機や艦船、地上部隊などと共有できる。乗員5人、全長17・5メートル、翼幅28メートル、高さ5・6メートル、時速約550キロ以上。航空自衛隊も2018年度までに4機を導入する計画。

(2017年2月3日朝刊掲載)

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