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市民ら「先行配備」批判 艦載機E2D 岩国基地到着 米計画着々 戸惑いも

 岩国市の米海兵隊岩国基地に空母艦載機のE2D早期警戒機5機が訓練の名目で到着した2日、基地近くでは市民団体が抗議の声を上げた。市や山口県が艦載機部隊の受け入れを容認していない中、参加者は「先行配備だ」と批判。機体の安全性や騒音を巡る懸念をよそに、米軍の計画が次々と具体化する現実への戸惑いも広がった。(松本恭治、藤田智)

 国内初運用となるE2D5機は午後3時40分ごろ、V字形の編隊を組んで基地上空に飛来した。2度旋回した後、同47分から順次着陸し、巨大な円盤を載せた機体が駐機場に姿を見せた。

 「E2D先行配備反対」―。滑走路北側の今津川沿いの堤防道路では、市民団体のメンバーたち約20人がプラカードを掲げた。苦々しい表情を浮かべ、飛来の様子を注視した。

 1月5日に米海軍が岩国基地での訓練予定を発表し、1カ月足らず。艦載機配備に向けた急速な動きに、愛宕山を守る市民連絡協議会の岡村寛世話人代表(73)は「基地機能の強化に地元から反対しなければ、米軍のやりたい放題を認めることになる」と訴えた。

 先行配備との指摘は1月27日の市議会全員協議会でも出たが、国は「配備前訓練」と繰り返した。E2Dを運用する第125早期警戒飛行隊長のダニエル・プロハースカ中佐はこの日、報道陣から先行配備かどうか問われ「移駐について答える立場にない」とした。

 堤防道路でE2Dをカメラに収めていた周南市社地町の中村嘉明さん(76)は「いずれ配備されるのだから、早くから訓練を積んだ方が安全になるのでは。他国への抑止力も高まると思う」と理解を示した。

(2017年2月3日朝刊掲載)

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